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塩田尚の月例訪問7月号

  • 執筆者の写真: つくば市議会議員 塩田尚
    つくば市議会議員 塩田尚
  • 2021年6月22日
  • 読了時間: 3分

 6月の定例議会にて「ヤングケアラー対策」について一般質問を行いました。「ヤングケアラー」とは病気や障害を抱える親や高齢の祖父母、幼い兄弟の世話に追われ、学業や体調に悪影響が出ているこども達の事を言います。そういう特殊な環境にいるこども達は極めて少ないだろうと思いがちですが、国の調査でも中学生の17人に1人、高校生では24人に1人の割合で存在するとの事です。つまりどこの学校でもクラスに1人位は必ずいるとの計算になります。しかも当事者であるヤングケアラーは、自らがヤングケアラーである事に気付かず、従って誰にも相談できず、ただ黙々と家事や介護に従事しながら学校生活を送っているのです。当然、学業がおろそかになってきます。まず遅刻が多い。しかも忘れ物が多い。宿題もやって来ない。学校によっては禁止しているスマホを、家族や親類との連絡の為に学校へ持ち込む。以上のようなシグナルが発せられるそうです。

 ところがその事に気付いても、先生方もヤングケアラーそのものに対する意識も知識も無いものですから、例えば「なぜ遅刻ばかりするんだ?」と質問しても「朝ご飯を家族に食べさせてから家を出るので遅くなるからです」と答えられると、「家の手伝いをやっているのか。君は偉いな。でも勉強をおろそかにしてはダメだ。それから今後スマホを学校へ持ってきたら没収するからな」と言われてしまうと、ヤングケアラーの子供は暗澹たる気持ちになってしまいます。家事全般をやらされているのが単に“手伝い”として褒められる事なのか?ギリギリまで頑張っているのに更に勉強しろと言われてもこれ以上時間の作りようが無い、と落ち込むのです。その結果、学校へ行くのが嫌になって不登校の途を歩んでしまうのです。

 ヤングケアラー問題を解決する第一歩としては、自らがヤングケアラーだと当事者である子供にわかって貰う事。つまり発見しやすい環境を作る事です。その為には学校の先生方や相談員初め、教育・福祉に携わる方々は元より、地域の方々にも理解して頂くよう研修活動を行う事が必要でしょう。これは行政が取り組まなければならない事です。そしてこれからどう支援して行くか、です。

 私はこども食堂の活用を提案します。ヤングケアラーのこども達は同じような環境にあるこども同志では胸を開くそうです。つまりこどもの悩みを分かち合える居場所を作ってあげるのです。それからどうすればヤングケアラーがやらざるを得ない家事や介護を減らす事が出来るか、これは教育・福祉に携わる関係者を中心に地域社会全体で取り組んで行かなければなりません。そうです、私達大人の出番なのです。

 誰一人取り残さない社会を創る為、私も議員活動を通じて全力で取り組んで参ります。 

 
 
 

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