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塩田尚の月例訪問12月号

  • 執筆者の写真: つくば市議会議員 塩田尚
    つくば市議会議員 塩田尚
  • 2022年1月13日
  • 読了時間: 3分

 アフガニスタンがタリバンに攻め立てられ、首都カブールが陥落したのは今年の8月の事です。その時、日本大使館では信じられない「事件」が起きました。何と外交官12人が全員現地職員を置き去りにしたまま、カブールを逃げ出したのです。私達が住んでいるこの美しい国 日本では、仲間を見捨てて自分だけ逃げだすなどと言う文化は無かった筈です。「先に逃げろ!」と部下を脱出させ、全員の安全を確認してから自らも退くと言うのが上に立つ者の使命と覚悟でしょう。事実、アメリカ軍の司令官は部下全員を脱却させた後、制限時間の1分前に軍用機でカブールを飛び立っているではありませんか。

 イギリスの大使もギリギリまで大使館に残り、協力者に“命のビザ”を発行し続けたのです。ところが我が国の司令官なるべき大使は、何と休暇の為日本へ帰っていてかかる非常時に現地にいなかったとの事です。アメリカ軍が撤退を表明して以来、かかる状況は素人の私達でさえ、ある程度予想は出来ました。それを国際外交のプロ達が誰一人察知でき無かったとの言い訳は誰も信用しないでしょう。

 明治時代、日本とロシアが戦った日露戦争では、有名な逸話が残っています。港を封鎖する為に沈めた軍艦から乗員全員を退避させようとしたが、部下の1人が救命ボートに乗っていない事に艦長である広瀬中佐は気が付きます。そこで乗り遅れた部下を救おうと単身、沈みゆく軍艦に乗り移り、部下の名前を呼びながら探している内に、敵弾に当って自らの命を断たれてしまうのです。 

 明治の人と同じ行動をしろとは言いませんが、せめて同じ様な気概を持って職務について欲しいですね。18年前、イラクの大使をしていた奥克彦氏はイラクの復興に命を捧げ、凶弾に倒れたではありませんか。奥大使の魂の叫びは今の外交官には全く響かないのか、それとも命を懸けてまで職務に忠実である事を“愚か”だと思っているのか。もし後者だと思っているなら、それは大きな間違いです。なぜなら自らの命を守る為に、実に多くの命を見捨てる事になるからです。外国の大使や司令官が命を救う為に決死の覚悟で働いているのに、我が国では平然と仲間を見捨てる、そういう誤った倫理観を持った人達が、我が国を代表して諸外国と外交を展開していたのでは、世界中の誰もが日本を尊敬してくれないでしょう。いくらカネを世界中にばら撒こうとも、陰では笑われているのではないかと身の縮む思いです。 

 こうなっては仕方ありません。紛争地に赴く外交官は外務省から出さないで、イザという時に危機管理に優れた能力を持つ自衛官や警察官を派遣した方が余程良いのではないでしょうか。

 
 
 

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