塩田尚の月例訪問3月号
- つくば市議会議員 塩田尚
- 2022年4月26日
- 読了時間: 3分
直木賞が発表になった直後の事です。常陸大宮市の三次真一郎前市長より興奮した声で電話があり、「今村がついに直木賞をとったよ!いやあ嬉しい。よくやってくれた。今まで何度も候補に挙がりながら、中々取れなかったんだ。」と自分の息子が快挙を成し遂げたような騒ぎです。私はいきなり“今村”と言われてもピンと来ず、三次さんが「今村克彦の息子だよ」と言ってくれて、初めて三次さんが興奮している訳が分かったのでした。
今村克彦とはヨサコイソーラン踊りの草分け的存在の『京都今村組』の今村克彦氏の事です。三次さんとは文字通り兄弟分の間柄で、今村氏は三次さんの事を“兄貴”と呼んでいます。となると、直木賞作家の今村翔吾氏からは“オジ貴”に当る訳ですね。実は今村翔吾氏は十数年前につくば市に来ています。筑波病院を経営する桜水会が主宰して、今村克彦氏の講演会と、ヨサコイソーラン演武を市民ホール豊里で開いた時、今村組のインストラクターを務めていた今村翔吾氏も来ていたのです。その時総合司会を務めた私は、氏と一緒に食事をしてヨサコイソーランについて話し合った記憶はありますが、その後作家に転向してメキメキと頭角をあらわしている事については恥ずかしながら知りませんでした。昨年も今村翔吾氏が書いた『じんかん』という本を読んで、織田信長の人となりや本能寺の変が極めて新しい視点から描かれており、深い感銘を受けたものですが、それでも“あの”今村翔吾氏とは気が付かずにいたのです。受賞後で知った話ですが、ヨサコイソーラン仲間内では有名な話だそうです。
さて親父の今村克彦氏がつくば市で講演した時、舞台の袖で聞いていた私が疑問に思った事がありました。それは「女子高校生が、苦しい家計を援ける為にスナックでアルバイトをした。それが学校にバレて、校則に違反していると先生からきつく叱られた。おかしいではないか。家族の為に働いたのだから、よくやったと誉めるべきではないか」。、、、私が強い違和感を持ったのは、どういう理由があれ、スナックで働くのは良くないと感じたからです。
しかし昨年、議会の一般質問でヤングケアラー対策を取り上げた時に、子供達が介護や介助、家事等をやらされている事について(家事の手伝いではありません!家事全般をやらされているのです!)、その実態を勉強しましたが、介護している家族からいつ緊急の連絡があるかも知れないと携帯を学校へもって行ったら先生に見つかってしまい『校則はどんな理由があっても守らなければまらない』と強く注意され、『大人は何もわかってくない』と登校拒否になった事例を思い出しました。
子供に寄り添うという事は、その子供に合った教育方法を考えるべきだと、今村克彦氏は訴えたかったのでしょう。
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