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塩田尚の月例訪問4月号

  • 執筆者の写真: つくば市議会議員 塩田尚
    つくば市議会議員 塩田尚
  • 2021年3月31日
  • 読了時間: 3分

「大コメ騒動」と言う映画を観ました。大正時代に全国で起こったコメ騒動の発祥の物語です。コメ騒動については小学校の社会科の教科書で学んでいましたが、それがどうして起り、日本中に波及して行ったのか、強い興味を抱いたのです。

 舞台はいまから約100年前、1918年(大正7年)の富山県の貧しい漁師町。当時は第一次世界大戦のお陰で日本中が好景気に沸き、おいしいお米が飛ぶように売れる様になっていました。シベリア出兵の噂で持ち切りとなり、更に需要が増えると見越した企業や米商人が買い占めに走り、米の値段は天井上りになって行きます。ところが港の漁師達は一年中魚が獲れる訳ではなく、閑漁期になると男達の大部分は出稼ぎに出ます。後に残った「おかか」達がやりくりし、家族を守って行くのですが、彼女たちの収入は、背中の皮が擦りむけるほど重い米俵を浜まで運ぶ仲士の仕事をやって、ようやく大人の男性が一日に食べる米一升の賃金を貰えるのでした。しかし米の値段が急騰した為、一生懸命働いても家族に食べさせる米も買えなくなってしまいます。それでも彼女達は我慢に我慢を重ね、粘り強く大地主や米商人に、米の値段を上げないでくれと交渉します。しかも男性達からは「女が余計な事をするな」と圧力もかけられます。どうしても子供達に普通の米を食べさせてやりたい。その無念さで団結した「おかか」達がついに立ち上がるのです。しかし、実際には、世上言われている様な「暴動」や「脅迫」では無く、「コメを旅に出すなー!」と富山から移出させる米を止めようとしたのです。つまり打ちこわしや掠奪等は無かった。ところが新聞に「越中の女の一揆」としてセンセーショナルに報道され、それが全国に飛び火して、歴史に残る米騒動へと発展したのでした。

 さて、その結末ですが、漁師町の議会が米価を上げない事を決議し、「おかか」達の勝利となります。一方、政府は追い詰められ内閣が倒れます。つまり富山の一漁村の女性達が、時の政権をも倒した事になるのです。

 私はこの映画で大きな教訓を得ました。女性は優しくて強い。ところが我慢強い女性達の堪忍袋の緒が切れると、世の中をひっくり返す力を持っていると言う事です。

 今日の日本。コロナ禍で必死に働いている医療従事者には看護師さんを初め、圧倒的に女性が多い。この人達は患者の命を守る為、社会全体の秩序を護る為、命懸けで働いてくれています。しかしその努力が報われなかったら、その働き具合が理解されなかったら、果たしていつ迄も耐え忍んでくれるでしょうか?私達は令和の「女一揆」が起る前に、女性の素晴らしさを認め、その働きに感謝を示し、その能力が最大限に発揮出来るよう、社会の仕組みを変えて行かなければなりません。そのために塩田尚も、自ら置かれた立場で、最大限の努力を続けて参ります。

 
 
 

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