塩田尚の月例訪問4月号
- つくば市議会議員 塩田尚
- 2023年3月31日
- 読了時間: 3分
「少子高齢化社会を迎えて大変だ」と言われて久しいですが、私はこの言葉に反発を覚えています。少子化は確かに国家の浮沈を左右しかねない大問題です。子供の数が減り続ければ社会の活力は失われて行きますし、労働者人口も尻すぼみになります。だから私は少子化問題には最も積極的に取り組み、若いお父さんお母さんが子育てし易いつくば市を創る為に努力して来ました。具体的には保育園やこども園に入れない待機児童の解消に努めて来ました。それにはただ施設を作るだけではお互いに保育士の取り合いになるばかりだと考え、厳しい労働環境にある保育の先生方に気持ちよく働いて頂く為に、民間保育園に勤務する保育士さんに対し、市が1人当たり一律月3万円の特別手当を支給する様提案し、実現させたのです。
月3万円と言う給付額にはきちんと根拠があります。民間保育園で働く保育士さんと、公立保育園で働く保育士さんの間には平均で若い人でも約3万円の開きがあるのです。私はあえてその差額分を補填してあげる事で、民間保育園の保育士さんが気持よく市内で働き、資格は持っているけれども他の業務に従事している潜在保育士の先生方にもつくばで働く魅力を伝えたいと思ったのでした。これはものの見事に成功しました。保育士の皆さんからも感謝されていますし、報酬につられて他市や首都圏へ流出する保育士離れを防いでいます。その追い風を受けて、民間の事業者がどんどんつくば市に保育園を新設してくれているのです。
さて高齢者問題。これは年寄りを粗末に扱う政策に思えてなりません。まず高齢者という定義。人は小さい頃から順に、幼年、少年、青年、成人、中年と成長して行きますが、最後は高齢者と呼ばれるのです。これは差別以外の何物でもありません。なぜ高年者と言わないのか。ここに先ず国家としての政策の失敗が表れています。呼び方ですでに差別しているのです。そこで私はあえて熟年世代の方を高年者と呼びますが、年若い青少年だって低齢者と呼ばれたらさぞかし不快な思いをするでしょう。そうです。高齢者とは熟年世代の人々を侮辱する言葉なのです。この呼称を使い始めたのが、事も有ろうにも日本国政府なのです。
私達が小さい頃、「うばすて山」と言う童話のような物語があり、それを読んで私達は、年寄りは永い経験を生かしたすばらしい知恵を持っている。だからお年寄りを粗末にしてはいけないのだと学びました。学んだ私がもはや高年者です。今まで苦労を重ねて来て、社会の知恵を磨いてきた高年者をどのように大切に扱えばいいのかを、今の若年者は家庭や学校や職場で、果たして学んでいるのだろうかと心配になります。
高年者はたくましく社会を生き抜いて来た猛者ばかりです。決して社会のお荷物にはなりません。なりたくもありません。
さてどうすれば良いのか。その答えは私の中にはありますが、次の機会でお話しします。乞うご期待!
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