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塩田尚の月例訪問6月号

  • 執筆者の写真: つくば市議会議員 塩田尚
    つくば市議会議員 塩田尚
  • 2024年8月28日
  • 読了時間: 3分

 3月議会で議員報酬を月13万7千円引き上げる条例が可決されました。私はこの条例案の採決に参加せず、ただ一人だけ議場を退席しました。退席とは賛成も反対もしない、つまり棄権すると言う事です。なぜ私が退席した、と言うよりも退席せざるを得なかったのか、その事について詳しく説明致します。

 13年前の事です。当時の議員定数は33人でしたが、それを現在の議員定数28人にするとの条例案が、当時の市長から市議会に提出されました。その理由は“経費削減”との事です。そういう理由を付ければ市民の皆さんが拍手喝采する事を見越しての作戦です。この時、私は猛烈に反対しました。議員の定数が少なくなれば、それだけ地域の隅々まで、市民の声をくみ上げる事が出来なくなると思ったからです。「議会の経費を抑えたいのであれば、議員の報酬を引き下げろ」と主張し、他の議員の賛同を得ようとしましたが、賛同してくれる議員はほとんど居ず、議員定数だけが現在の28人に削減されたのでした。

 議員になる窓口が狭くなれば、私のような地縁・血縁も無く、支援してくれる政党や組合も無い人間にとっては極めて厳しい道となります。一生懸命真面目に取り組んでも、選挙に敗れれば、議員としての活動は出来なくなります。その人に期待をこめて投票した市民の票が、死票、つまり報われない声となって沈んでしまいます。市民の皆さんの幅広い声をくみ上げる為にも、私は定数削減するのであれば、その前に議員の報酬を減らせと主張したのです。

 しかしあれから10年以上経ち、議員定数も28人ですっかり定着しました。この間、議員報酬を審議する有識者の皆さんで構成する特別職報酬委員会で議論されて来た結果、議員報酬を見直すべし、との結論が出されたのでした。新たな報酬を月額58万4千円と査定しました。その根拠は、県都水戸市よりも低く、行政規模の小さい日立市よりも高く設定すると言うものです。

 つくば市議会は一人当たり月3万円の政務活動費を頂いております。私の場合、その総てが新聞等の資料代、政策を生み出す為の調査研究費に費やされています。足りない分の広報活動費(この月例訪問等です!)や調査活動費は、議員報酬でまかなう他、有りません。また議員には扶養手当、退職金も無く、議員年金も有りません。現状を冷静に見れば、引き上げに反対できません。しかしかつて私は逆に報酬の引き下げを提案したのです。自らの主張の一貫性を貫くべきか、現状をきちんと認識して判断すべきか、迷いに迷った挙句、窮余の策として、議場を退席したのでした。

 さて、私の手取り額。改正前が29万2千円。改正後この4月から35万7千円となりました。市民の皆様から頂いたこの貴重な議員報酬を、市民の皆様の福利厚生に役立てる様、大切に使いたいと思っております。

 
 
 

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