塩田尚の月例訪問8月号
- つくば市議会議員 塩田尚
- 2021年9月7日
- 読了時間: 3分
つくば市中心市街地の活性化を図る為、つくば市議会では調査特別委員会を立ち上げ、実に熱心に勉強会やら審議を繰り広げております。中心市街地とはズバリ、旧クレオの事です。かつてはデパートがあり、大型スーパーがあり、センタービルには会社や店舗があり、つくば市最大の商業集積地でありました。ところがTXの開業後、人の流れがガラリと変り、東京方面へ買物や遊びに出掛ける人が増え、郊外型の複合施設が賑わいを見せ、クレオは衰退の一途をたどったのでした。
私はクレオが撤退するとは夢にも思っていませんでしたから、少なからずショックを受けました。なぜなら鉄道の始発駅は必ず隆盛するというのが、これまでの我が国の歴史であったからです。それが我がつくば市ではくつがえされてしまった。もしかしたらクレオに出店していたデパートやスーパーやお店も。まさかつくば市の中心市街地がすたれる筈はない、と高を括って、打つ手が後回しになったのかも知れません。デパートとスーパーが撤退したせいで、クレオは完全に空洞化してしまったのです。
五十嵐市長はこの問題にいち早く取り組みました。つくば駅の周りは市の心臓部分と表現し、心臓が弱まれば、周辺に血(活力の事です)が流れないと危機感を持ったのです。そこで五十嵐市長が取り組もうとしたクレオの再生案は、民間経済界の協力を得て、つくば市がクレオを買い取るという大胆な計画でした。新しい運営会社を作って、つくば市が資本金の40%を出費する。金額にして約20億円です。なぜ40%かと言うと、株主の中で最大の議決権を持つからです。つまりクレオ再生に当り、つくば市が主たる発言権を持ち、もし運営会社がつくば市の意向に背くような方向に進む危険がある時には、これを阻止する議決権を持つからです。
五十嵐市長の再生案では、クレオを完全リフォームして、新しい時代の誰もが寄れる、行ってみたくなる図書館を作る。子供が科学に慣れ親しみ、遊べる科学館を作る。老若男女、誰でも気軽に集まり、健康増進にいそしむスポーツセンターを作る。など、それは素晴らしい構想でした。私はその構想を聞いた時、諸手を挙げて賛成したのですが、事前に市議会に説明したとたん、市議会から猛烈な反発を買い、あえなく計画は頓挫し、結果として民間企業1社がクレオを総て買い取り、マンションやスーパーへと、今リフォームが進められています。
市議会の多数の反対意見は、総合運動公園の用地の66億円が焦げ付いた状態で、更に20億も出資するのか、と言うのが最たる理由でした。しかし総合運動公園用地を買ったのは前市長の時で、五十嵐市長では有りません!しかも当時の市議会は66億円出資に、たった1票差で賛成したのです。負の遺産を背負ったばかりに、健全な事業展開も出来ないとは、それこそ負の連鎖になってしまう、その事を私は恐れているのです。
Comments