塩田尚の月例訪問11月号
- つくば市議会議員 塩田尚
- 2020年11月20日
- 読了時間: 3分
更新日:2020年12月18日
つくば市が5年前、都市再生機構(以下URと略します)から66億円で買った総合運動公園用地。五十嵐市長がこの用地問題の完全解決を図り、URに返還交渉を行いましたが、UR側がこれを拒否。今後はつくば市が自らの方策で解決を目指さなければならなくなった事は、先月号でお知らせしました。つくば市が買ったと一般的には思われていますが、正しくは、つくば市土地開発公社が買っており、と言っても公社はお金をもっていない為、買収金額の66億円は総て金融機関からの借り入れによるものです。用地は現在迄使い途が決らず、毎年3千万円以上の金利が発生していますが、これもお金が無い為、支払いが出来ず、金利分を上乗せして更に借金を重ねると言う民間では考えられない事態に陥っています。この借金は開発公社に肩代わりさせているので、表面上つくば市の会計には出て来ません。しかし令和5年には金融機関に借金を返済する約束をつくば市がしているので、その時には開発公社からつくば市が買い取る他、有りません。その頃には借金が膨れ上がって約70億円になっています。
つくば市がこの用地を買収する前は、URから年間約7千万円の固定資産税が入っていました。つくば市開発公社が買った為、この固定資産税も入って来なくなり、3千万円以上の金利がかさんで行く。つくば市は今、年間1億円以上の損失を出し続けている事になります。しかも令和5年には70億円でつくば市が正式に買い取らなければなりません。前市長時代の大きな負の遺産、これがズシリと市民の皆さんの肩にのしかかってくるのです。このままではいけません。早急に解決して、肩の荷を降ろさなければなりません。
そこで五十嵐市長が考えた解決法は、民間活力を導入すると言う方法でした。まず、この用地をどのように活用すればよいか、そのアイデアを全国の企業に公募で要請したのです。何社か取り組んでくれましたが、最終的には正式に提案書を提出してくれた企業は1社のみでした。地域振興を図りながら、人が集まり雇用も増えるとの開発内容でした。市は更にその提案に、市民の幸福度を上乗せした開発計画としてまとめ、議会に提示したのです。提案書の中で売買金額は「40億円以上が妥当」との意見が付けられていましたので、市は最低価格を40億と定め、改めて公募で入札しようとしたのです。ところがここで市議会から“待った”がかかりました。66億円の土地購入に賛成した議員を中心に「26億円も損失を出すとは何事だ」との反対意見が相次ぎ、ついに五十嵐市長が公募による売買を諦め、議会からの代替案を待つことにしたのです。
私は民間への売買に賛成でした。仮に最低価格の40億円でしか売れないとしても、それは現在の実勢価格であるなら、致し方ありません。しかし損をするのはイヤだと土地を持ち続ければ、更に借金は増え続けるのです。
ここで損切りをしてでも、土地と建物で年間2億円以上の収益を目指すのか、それともこのまま1億円以上の赤字を垂れ流すのか、それを選択するのは市民の皆さんです。ヘンなチラシに惑わされないで、しっかり見極めて下さい。
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